旅のはなし

2024年新年あけましておめでとうございます!

「8泊9日ギリシャ一人旅」2018年8月18日~8月27日

これは、ブルガリアで発掘ボランティアに参加をしていた2018年8月某日のこと、次のボランティアスタートまで少し時間があるから一週間くらいギリシャに行って来たら?と言われたことから始まったこのギリシャ旅。無経験、無計画で急にギリシャへ一人旅ってできるのだろうか?、と不安しかない状況だったが、結局は「なんとかなるか」と軽い気持ちで飛び出して色々とまわって無事帰ってくることができた。その時の写真や記録を元に思い出しながら加筆もして紹介していきたいと思う。

 

私は6月下旬から9月上旬まで、ブルガリアに行って発掘ボランティア参加をしていたのだが、ギリシャへ行くまでは単独で行動したことはほぼなかった。ボランティア休みの時はいろいろな都市や国外へ観光に行ったのだが、知り合ったスペイン人(旅の友)がいたので苦労はなかった(すべて手配してもらって金魚の糞状態)。実はその時に安い宿の取り方やバスの乗り方など見てきていたので、「国は違うが大きな違いはない。アレを真似してやれば大丈夫だろう」と一人で旅行することに対しての心配はほぼなかった。むしろ一番の心配事はギリシャに行って1週間(結局は9日)どこに行けば楽しめるのだろうということ。それを解決してくれたのが、発掘ボランティアで指導をされていた考古の先生(提案者)だった。先生はGooglemapを一緒に見ながらおすすめの遺跡スポットと行き帰りの場所のみを示してくれた。(下記メモ書きより抜粋)

 

・出国はソフィアからアテネまでバスで行ける
アテネに行ったらプラカの方に行ってアクロポリスを見てくるといい
オリンピアの遺跡も見ておくといい
テッサロニキを拠点にヴェルギナへ。そこの遺跡(墓)は素晴らしい
カバラを拠点にピリッポイとタソス島の遺跡巡りはどうだろうか
ブルガリアに戻るときはアレクサンドルポリスからが良い。ここを拠点にサモトラキ島へ行くのも良いだろう

 

以上の情報から、なるべく全部行こうと緻密に計画、、、、はせずに、まずはアテネに行って宿を確保できればその後は何とかなるだろうと考え、アテネまでのバスチケットとアテネ滞在の宿を確保して旅はスタートした。そこからは各都市に到着してから次の宿を確保して移動するという成り行きで行動をしていったのである。今考えるとよくこんな無計画で行ってきたもんだと思う。本当は「カバラを拠点にピリッポイとタソス島の遺跡巡り」も行きたかったのだが、どう考えてもあと3泊は必要だったのでテッサロニキに着いたときに断念し通過してアレクサンドルポリスへと向かった。他は駆け足だったが全部回れたはず。カバラ方面は生きているうちにいつかは行きたいと思っている。

ギリシア周辺と行ったところの図

さて、ここからが旅の記録となる。35リットルのバックパック1つ背負って9日間何をしてきたか紹介していきたい。
※文中に一部費用を書いているが、レートは2018年8月頃の1ユーロ(表記は「€」約130円)、1ブルガリアレフ(表記は「LV」約65円)で計算したものである。

 

①8月18日 ギリシャ入国へ

バス移動 80.0LV(約5200円) ソフィア(ブルガリア)~アテネギリシャ

ブルガリアの首都ソフィアからアテネまでのバス移動、休憩も含めて約12時間もかかるバス移動となった。前日にソフィアのバスステーションでギリシャ行きのバスチケットを購入することになるのだが、中央バスステーションで数日前に3人でマケドニア旅行に行った時に、国外行きのバスが出ているという情報以外はどこで買えるのかがよくわからない中探し回ることになる。英語もほぼ使えずブルガリア語も挨拶以外全くわからない自分が、日付や時間指定も含めてスマホで翻訳などを使わずによく購入できたものだと今更ながら感心する。人間頼る人がいないと力を発揮するものである。


出発時間は午後8時出発の便をあえて選択した。その時間に出ると到着が朝の8時なので一人旅初心者の自分がどんなトラブルに遭遇しても、時間が解決してくれるだろうという考えからである。夜出発で朝着ということ深夜バスを選択したのだった。ボーダーラインに到着したのは深夜0時。その後2回休憩をしたので記憶ではほぼ寝ていない。実は別の寝れなかった理由もあるのだが、それは漫画「宇宙兄弟 第20巻(195話)」の状態だったとだけ言っておく。気になったら漫画をチェックしてみてほしい。
人生初の深夜の長距離バスがまさか海外での経験で、さらにボーダー越えというオプション付きになるとは思いもしなかった。ボーダー越え時のパスポートチェックは今でもその緊張を思い出せるくらいドキドキだった。

深夜2時ころの休憩場所。テッサロニキのバスステーションにて。

午前8時 やっとアテネに到着

②8月19日~21日 アテネ滞在

ホテル宿泊(2泊合計)23.8€(約3100円)

19日午前8時ころ、某ホテル前のバス停で降車したのだが、スマホのMAPが無かったら危なかったくらい「ここどこ?」という場所だった。そこから宿泊先へまず向かい、当日の予約がちゃんと入っているかの確認と荷物を預かってほしいと頼みOKをもらって身軽で午前10時ころから終日観光をしてきた。午前中は博物館、午後は歩いて有名な建物を散策し無意識のうちにアクロポリスへ向かってパルテノン神殿はやはり見ておかなきゃと暑い中神殿まで登ってきた。その神殿は修復中で残念だったが、教科書で見たことがある大神殿の迫力に圧倒されて帰ってきた。前日はバス移動でほぼ寝ていなくこの日も終日歩いていたので翌日の昼頃までダウンすることになる。泊まったのは1泊1500円くらいのホステルで一部屋の中に二段ベッドが8つほどあるような部屋、男女関係なく寝泊りしていた。もちろん食事無しの素泊まりなので安い。

パルテノン神殿にまさか行くことになるとは

横から見たパルテノン神殿

散策中に見つけたストリートアート

アテネでの2日目は観光というよりバスや地下鉄の交通手段の勉強が中心となった。アテネから効率よく観光していくことを考えると、次の場所はオリンピアへ行く以外選択肢はなく、当日困らないようにとギリシャ交通機関のことを知るために、まずはバスステーションに向かった。ホテルからは少し距離があったので地下鉄を使うことにしたのだが、チケットの買い方や改札内の入り方など何も知らずに突入。結局「観察」をしてチケットの買い方や改札への入り方を勉強させてもらい見様見真似で無事乗ることができた。バスステーションはとても分かりやすい作りになっていて、行きたい都市名が書いている窓口で購入するだけ。これ以降は特に緊張することなくバス移動ができるようになった。その後はショッピングモールに行ったりと地下鉄移動を楽しんで帰ってきた。

 

③8月21日~22日 オリンピア滞在

バス移動 32.5€(約4200円)アテネ→ピルゴス経由→オリンピア
ホテル宿泊(1泊)26€(約3400円)

早朝にホステルをチェックアウトしオリンピアへ移動。オリンピア行きのバスに乗ったのだが、近くの大きな町であるピルゴスのバスステーションで降ろされてあれ?っとなった。バスステーション内を見て回った結果、時刻表にオリンピア行きのバスが1時間毎に出ている事、そしてチケット見せれば好きな時間にこのバスに乗せてくれるんだと理解できて一安心。少しピルゴスの街を散策してバスに乗り無事オリンピアに到着。ホテルにチェックインして早速遺跡散策に向かった。オリンピアは小さな観光地という印象。ただ、遺跡の方は想像以上に広く歩き疲れたという記憶がある。東京オリンピック前に聖火点灯の場所に来れたのは良い思い出となった。この日の夕食は近くのスーパーで購入したもので済ませて終了。ここはホテルだったので朝食は確か付いていたはずだが何を食べたかは全く覚えていない。

バスからの風景 海岸線を走ることが多く見ていて飽きない

オリンピアの遺跡

オリンピアの遺跡(説明できずですみません)

このアーチの奥が競技場跡

競技場跡(失礼ですがただの草原です)



④8月22日~23日 ボロスへ移動

バス移動 62.3€(約8100円)オリンピア→ピルゴス→アテネ→ボロス
ホテル宿泊(1泊)60€(約7800円)

オリンピアに一泊して次の日ボロスへ移動。事前に確認をした結果、オリンピアから次の目的地としたテッサロニキまで1日で移動するのは難しいと判断し、途中のボロスという都市で一泊しようと計画したのだが、ここで小さなトラブルが起きる。まずは宿泊したオリンピアからピルゴスに戻るのだが、少しゆっくりめで出発したのが失敗。時間を確認していなかったので、1日1便しかないピルゴス発ボロス行きの直通バスを逃すことになる。前日にチェックしておけばよかったと後悔しながらも、ボロスの宿を予約しているので、なんとか当日中に到着できるように別の移動案を考え、まずは一旦アテネに戻ってアテネからボロス行きのバスを探してみよう、最悪キャンセルとなってもアテネなら同じ宿などにまた安く宿泊できるだろうと考え、アテネ行のバスに飛び乗った。アテネのバスステーションに到着した時間がすでに午後5時、すぐに窓口へ行くもこのステーションにはボロス行きがなく、インフォメーション窓口で確認をしたらボロス行きは別のバスステーション(2キロくらい離れている)だと教えてもらいすぐ移動、タクシーは長蛇の列だったので歩いて移動し午後5時50分着、午後6時発のバスが運良くありギリギリ乗ることができて午後10時にボロスに無事到着。本当なら数時間観光できるはずだったが、結局夜の街を少し散策し晩御飯を食べたのと朝に少し散歩するだけの観光となってしまい、次の目的地にむかうことになった。

ボロスへ向かうバスを休憩所で撮影。まだ明るいが時間は午後8時頃

ボロスの朝。全く散策できなかったので残念。



⑤8月23日~25日 テッサロニキ滞在

バス移動 20.2€(約2600円)ボロス→テッサロニキ
ベルギナ観光(バス移動)14.8€(約1900円)テッサロニキ→べリア→ヴェルギナ→べリア→テッサロニキ(往復)
ホテル宿泊(2泊)47€(約6100円)

朝からテッサロニキへ移動。ここは近くにあるヴェルギナにある世界遺産の墓を見に行くのが目的で、2泊で計画した。バスステーションに到着したときに、ソフィアからアテネに向かった深夜バスの休憩地点の一つがここだったのかと気づいた。1日目はホテルにチェックイン後、終日街中を散策。港町でいたるところに遺跡や古い建物がありとても美しかった。

テッサロニキのバスステーション。深夜の時と違ってすごい活気があった。

 

美しい港町。有名なホワイトタワーと小さな船が見える。

実はこの写真の船に乗ることができた。近くまで行くと短時間の観光船という事がわかり、いくらかかるのか聞いてみるとなんと無料とのこと。ただし最低ワンドリンクといわれたのでビール一杯注文して乗ってきた。移動式のbarと言ったところだろうか。

船の中の様子

ビールを飲みながら見る美しい海岸線

ホワイトタワー

ガレリウスの凱旋門

珍しく撮影したレストランでの1枚。何を食べたのかは不明。

2日目はここに来た最大の目的であるヴェルギナの遺跡へ行くこと。前日にバスステーションで調べたときにヴェルギナ行きは無いという事がわかり、近くの少し大きい町まで行ければ何とかなるとの勝手な予想でベリアという町にまずは移動した。無計画もまた一人旅の醍醐味と言ってしまえばなんかカッコいいが、ただのバカである。驚くほどでもないが、その予想は的中しそこからベルギナ行きのバスが出ていたので無事向かうことができた。ただ、そのヴェルギナへ行くバスは他の大きい都市へ向かうルートバスで途中下車しないといけないのだが、見事に降りる場所を過ぎてしまい焦る。慌てて運転手のところに行き「実はベルギナで降りたかったのだが」と話したところ、次のバス停で止めてここで降りなさいと言われ降車。ここの職員の人に事情を説明してくれて少し後に来た逆側のバスのドライバーにも説明をしてくれて乗せてもらい無事ヴェルギナに到着することができた。話を聞くとけっこう乗り過ごす人が多いとのこと。追加料金もなしに対応してくれた優しいギリシャ人に感謝しかない。
苦労してたどり着いたヴェルギナ遺跡は世界文化遺産にもなっている所。お墓を残してその上に建てた博物館はこの旅の中で一番印象に残った素晴らしいところだった。その博物館を出て、近くにあるはずの別の遺跡へ向かっている途中、ロシア人の若者に「遺跡とは違う方向に向かっている」と突然声をかけられた。彼も同じ考えで向かって何もなくて戻ってきたところだったそうだ。その後何故か意気投合して帰りのバス時間まで一緒に観光し途中のベリアで食事をしてテッサロニキまで一緒に帰ってくることになる。連絡先を交換しなかったのが悔やまれる。

ヴェルギナ遺跡。この盛り上がっている部分の下が博物館になっている。

べリアからテッサロニキ行のバス時刻表。ギリシャ語のみなので全く読めなかった。

 

⑥8月25日~27日 アレクサンドルポリス滞在

バス移動 31.8€(約4100円)テッサロニキ→アレクサンドルポリス
サモトラキ島観光(船移動)40€(約5200円)アレクサンドルポリス→サモトラキ島→アレクサンドルポリス(往復)
サモトラキ島観光(バイクレンタル+ガソリン代)25€くらい(約3300円)※記録なし
ホテル宿泊(2泊)149€(約19400円)

テッサロニキから移動しアレクサンドルポリスへと到着。ここも2泊予定でホテルを前日に予約。目的のサモトラキ島へ行くには船移動なのだが、全く調べずに来てしまったので1日目は乗り方確認がメインとなった。ホテルにチェックイン後はまず港に行って船着場を発見し時刻表を確認。時間は18時を過ぎていたのですでに誰もいなく明日ここに来ればなんとかなるだろうとその場を離れた。翌朝船着場に突入し無事船に乗ることができた。チケット購入はパスポート提示が必要。持っていたから良かったが言われたときはビックリした。サモトラキ島も古代遺跡が観光のメインだったが、目指す遺跡は船着場から10キロくらい(イメージなのでもっと近かったかも)離れている。タクシーやバスはあるのかよくわからない(調べずに行くところではない)。朝一で行ったつもりだったが戻りの最終船の時間を考えると時間が3時間くらいしかない(普通日帰りで行くところではない)。まさか遺跡に行けずここでウロウロしてそのまま帰ってしまうのかと焦って周囲を見て目をつけたのがレンタカーの看板でしかもスクーターのみ。これしかないとスクーターをレンタルして島を散策してきたのだった。実は使うわけないと思いながらも国際運転免許をとって来ていたのだった。無事行けた遺跡は「Sanctuary of the Great Gods」という有名なニケ像が発掘されたところ(だったはず)。あっという間に遺跡まで行けたのでじっくり回ってくることができた。

アレクサンドルポリス 2日目の朝

早朝まだ眠そうな犬たち

往路で乗った船(手前)。小型の高速艇で約1時間半くらいで到着した

復路はこの大型船。2時間半くらいで戻ってこれた

レンタルバイク屋さん。ここでバイクを借りた

遺跡へ向かう途中で。ゆっくりと景色を楽しんで走ってきた

遺跡入り口付近の立て札(だったはず)

この遺跡で一番有名な神殿

ここも広い遺跡だった

 

⑦8月27日 ブルガリア帰国(?)

バス移動 20€(約2600円)アレクサンドルポリス→プロブディフ(ブルガリア

朝食後、帰り支度をしてブルガリアの方に戻るのだが、アレクサンドルポリスに着いた時のバスステーションには国外へ行くルートは無く、25日に街中を散策した中では、国外行のバスステーションを見つけることができなかった。船のことばかり考えていたが次の移動も重要なこと。結局はホテルの人に「プロブディフ(ブルガリア)に向かいたいのだが」と聞いてやっと場所がわかった。ホテルの人は親切に手書きの地図を書いてくれて細かく教えてくれたので助かった。ギリシャ内を移動するバスは大型でシートもゆったりだったが、ブルガリア行きはなんとミニバス(需要の少なさを実感する)。4時間くらいの移動だったと記憶しているが、シートも小さくなかなか厳しいバス移動となった。

 

おわりに

以上が、ギリシャ旅行の全内容となる。たぶん細かくは誰にも話をしていなかったのではないか。
ちなみに、今回の旅で使った金額は日本円換算で約8万円(主な移動費と宿泊代のみ)食費やアテネ内の地下鉄移動などの費用を加えても使ったのは9~10万円くらいというチープな旅をすることができた。無計画で適当に行動をしていたので行けなかったところも多くあったが、凄く充実した旅となった。実はブルガリアに戻ったその日にこの旅行最大のトラブルがあったのだが、今回はギリシャ話しなのでここまでとする。要望があればいつか紹介しようと思う。

 

続く?

お酒のはなし3

少し前の話。2018年の6月下旬から9月上旬まで私はブルガリアという国に滞在していた。何をしに行っていたのかは別の機会に語るとして、ここではブルガリアで体験した「酒にまつわる話」をしたいと思う。

 

突然だが、滞在中によく使っていた2つの英語(ブルガリア語は難しくて挨拶以外断念)がある。この2つの言葉で約3か月乗り切ったと言っても過言ではない。

 

I want draft beer

レストランや酒場にて「とりあえず生!」という気持ちで言っていた。一緒にボランティアをしていた仲間たちから、ビールだけは1人で頼めるようになったよねと揶揄されていた。途中から大ジョッキを頼むために「big」をつけるようになる。

 

I want cheap Bulgarian wine

酒屋に入ってすぐに「国産の安いワインがほしい」ってどこへ行ってもでも平気で言っていたので、相当感じの悪い外国人だっただろう。

 

冗談はさておき、ブルガリアは日本より物価が安く、特に国産のお酒がとにかく安くてどこに行っても注目して購入して飲んでいた。際立って安い印象だったのはビールで、売っている水並みに安かったと記憶している。ちなみに水は水道水を平気で飲んでいたので買った記憶がない。初めのうちはお店で缶ビールしか買っていなかったのだが、実はブルガリア ビールってすごく安いと気づいたのはペットボトルに入ったビールを発見してから。売っているのは300ml缶、500ml缶(もしくは瓶)の他、500ml、1L、2Lのペットボトルでも売っていて、一番安いメーカーの2Lペットボトルは日本円でなんと300円程度だったと記憶している。そしてレストランなどの生ビールも安く、大ジョッキ(500ml)が約150円くらいだったので、外食の時はだいたい大ジョッキを頼んで喉を麗していた。ワインも安くておいしいものが多く、衝撃的だったのは道端でワインを売っている露店があったこと。北海道で例えるなら、「スイカ」とか「トウキビ」を道端で農家の人が売っているようなイメージ。場所は忘れてしまったが国外に全く知られていない小さいワイナリ―が無数にあるエリアがあり、そこで作ったワインを空き容器(ペットボトル)に入れて近くで販売しているのだ。地元の人に言わせるとこのワインの方が美味しいとのことだ。

 

酒飲みにとっては夢のような日々で、肉体労働がメインの毎日ではあったがおかげさまで全く痩せなかった。

 

さて、前置きが長すぎてしまったが、ここでブルガリアでのお酒作り体験について話をしたいと思う。この国にも酒造に関する法律はあるらしいが、日本とは違って一定量までは一般家庭でも普通にお酒を作って問題ないようだ。作っているお酒はワインや、この国伝統のラキアという蒸留酒ちなみにラキアの味は同じ蒸留酒で考えると泡盛に近いだろうか。そんな「一般家庭のお酒作り」を運よく体験することができた。

 

2018年9月の話。私はとある場所でホームステイをすることになる。場所は元大関琴欧州の故郷であるブルガリアのヴェリコ・タルノヴォというところ。日本に帰る寸前の最後の思い出作り(と思われていたかはわからないが)ということで、知り合ったブルガリア人に「私の実家へ葡萄酒作りに行かないか?」と誘われ行ってきた。その時に体験したことを紹介したいと思う。

 

作り方は古代からほぼ変わっていないのだと思う。ざっくり説明するとブドウを潰してその果汁をアルコール発酵させるだけ。(ざっくりすぎたか……)

果汁の中の糖分を酵母の力でアルコールと二酸化炭素に分解するのだが、発酵させるための酵母菌は色々と調べるとブドウの表面に天然酵母が付着しているそうなので、別に酵母菌を加えなくても自然と発酵するらしい。今回お手伝いをしたのは「ただ潰して作る」という原始的な製法で、日本とは違う異国の歴史を感じることができた。

発酵させるために必要な適正温度や糖度など、葡萄酒作りに必要なポイントは省略させていただく。レシピではなく、あくまでもこんな道具を使って作ったということを紹介するものとして見てほしい。

 

 

 

家庭菜園で収穫した葡萄などの作物たち

 

ここの家庭秘伝の「謎の葉っぱ」

何のために入れるかもわかっていないと言われてました。

 

これが圧搾機です。手回しで搾っていきます。

 

中に入っていかない時は棒で押し込んでいきます

 

圧搾後の様子

 

錘を乗せて果汁を搾っていきます

 

下から果汁を出し循環させます

 

下から出した果汁を糖度計で計測をしています。この時の葡萄は糖度が足りなかったそうなので砂糖水を作って入れました

 

大鍋に砂糖水を作っています。今回はこれを加えていました。

 

お手伝いしたのはここまで。完成した葡萄酒は飲みに行くことができず残念。

ちなみに、日本では自家製ワイン製造はダメですからね!

醸造許可のない人がお酒を作る際、アルコール度数は1%未満にしないといけないらしいです。

 

※お酒ネタはこれでおわりです

お酒のはなし2

コーヒー焼酎を作りだしてから、帰り道にあるカルディ通いが加速したと記憶している。東京での同居人3人でペースよく飲み干しているので、豆も同じものばかりではつまらないと気づけば様々な豆を購入して試していた。初めのころは深煎りが最高と思って購入していたが、実は酸味の強い浅煎りも漬けてみると美味しく飲めるものがあることが段々と分かってきた。これは甲次郎二本に方向性の違う豆を入れて味比べをしてみたのがきっかけだったと思う。豆で本当に味が変わってくるのだと実感し段々と沼にはまっていった。

 

以下の図はカルディの味のマトリクスに漬け時間の関係を加えた図である。元旦にお酒を飲みながら適当に考えたものなので根拠は何もない。酸味と苦みの差は焙煎の濃さで出てくると聞いたことがあるので、苦みの強いものほど焼酎に漬ける時間が短くて済むということは正しいと思う。ただ、もう一つの軽いとか重いというのはよくわかっていないが、重い方が漬け時間が早く風味がでてくるのかな?なんて勝手に考えてみた。本当に酔っぱらいの落書きとしてみてほしい。

カルディのコーヒー豆(味)のマトリックスはコーヒー焼酎の漬け時間が予測できるのでは?の図

 

豆を購入するときは必ず店員の方に何が欲しいか等と会話をすることになるのだが、いつも「焼酎に漬けて」と言うワードは伏せて「たまには軽いのを飲んでみようか」とか、「酸味が強いのを試してみたい」などと会をして購入している。そんな質問に真剣に豆のことを語る店員さんに申し訳ないと思いながらいつも参考にしつつ豆を選んでいた。以下は記憶にある限りではあるがそんな会話をしながらカルディで購入できる代表的な豆で、焼酎に漬けたことがある豆を中心にリストアップしてみた。季節限定ブレンドなども多く購入しているが、わからなくなっているのでそれは外している。


リッチブレンド
「重厚感のある苦みと深いコク」と書いてある定番の濃い味コーヒー。初期に一番多く買って漬けている豆。すぐに色と味が出るし濃くなってもあまり味が変わらないので初心者向け。

イタリアンロースト
これも深煎りなのですぐに飲めるタイプの豆。リッチブレンドとは違った風味が出てくるので飲み比べると楽しい。

エスプレッソブレンド
はっきりとした記憶がないが1回漬けたことがある豆。若い時期にいい香りが出るはずだが、漬けすぎるとリッチブレンドなどと何ら変わらなくなる。
※焼酎へ漬ける時間が短いことを「若い」と勝手に表現している。

フローラルモカ
名前の通りいい香りで浅煎りのモカ。少し時間をかけないといい感じに出ないのが難点と思われ、これを飲みだした時はいまいちだった記憶がある。これこそ絶妙な抽出ができれば最高な一杯になりそうな豆ではないだろうか。

キリマンジャロ
「甘酸っぱい香りとキレのある酸味」と書いてある豆。残念ながらこちらも飲んだ記憶が怪しい。酸味は焼酎漬けには全く関係なくなると思われるが、酸味が強い=風味が良いということになると予想されるので、完成のタイミング次第といったところか。

コロンビア
こちらは飲んだことも漬けたこともないと思うが、フルボディで酸味が強めということなので若い段階で風味が出て、いい感じに色が出たころには風味が弱くなることが予想される。アルコール強めの状態で風味を楽しみたい人向けかもしれない。

ツッカーノブルボン
2番目によく買う豆でとにかくバランスが良く香り豊か。中間くらいの焙煎、少しフルボディ寄りの豆ということで漬けるのも難しくない。カルディの社長一押しの豆と店員さんから聞いたことから「社長の豆」と勝手に言っている。

グアテマラ
こちらも多分漬けたことがあるはずの豆。軽めな感じではあるが上質な酸味と甘さということで、とてもいい風味が期待できる豆。時間はかかると思うがじっくり色を出しても十分香りが出る豆と思われる。記憶が怪しいから予測ではあるが。

ブルーマウンテンブレンド
ブルマンはとにかく高くて年に一度半額セールをやる時を狙って買っている。2021年は買ったはずだが飲んだだけか漬けたかはすでに記憶にない。とにかくバランスがいい豆なので漬けやすく美味しいはず。とはいえ高価なので半額でも漬けるのがもったいないが思ってしまう。


以上、全く参考にならないものを書いてしまったと反省。
要するに2種類以上同時に漬けてみると違う味が楽しめるということが言いたかったのだ。
この他、焼酎の話もあるのだがそれは今度気が向きましたら、、、


つづく?

お酒のはなし1

・コロナ禍のひまつぶし(602号室編)
2020年から最近までは感染症対策ということで外食はなるべくしないようにと生活をしていていた。特に東京での生活は出張なので外食中心だった。某マンション602号室の社宅メンバーは、外食をしないようにと言われ始めたときはコンビニ弁当を買って帰るという感じだったと記憶しているが、次第にコスパが良いと自炊をするようになってきたのだった。602号室で自炊が始まると様々な道具が増えてきて、家庭用包丁1本だった部屋のキッチンには、研ぎ石に柳刃包丁と出刃包丁が追加され本格的に魚を捌けるようになり、様々な魚が食卓にならぶようになった。そしてテレビから得た知識よりカルディ等で売っている面白い調味料を購入してみたり、炊飯鍋や携帯コンロに鍋、料理に合わせた食器も追加されたりと日に日に充実したキッチンになった。そんな生活の中で果実酒づくりの沼にも次第にはまっていくことになる。結局東京での生活は飲食しか楽しみがないのである。

 

・ある日届いたお中元
少し古い話だが、2021年のある日お中元で事務所に生プルーンが届いて皆で困ったことがあった。繰り返すが生プルーンである。2個くらい食べてそれで満足しほぼ全部余ってしまった。生ものなので札幌に送るわけにもいかず、どうしたものかとトイレの中で考えて生み出したのが「ホワイトリカーに漬けてしまえ」ということ。つまりプルーン酒を東京で作ってしまおうということである。準備をするにあたり一番困ったことは「あの瓶」が手に入らないということ。時期が悪く梅の時期が終わっていたので、つい先日まで売っていたはずのスーパーにも無くなっていた。出張先の東京でお酒漬けようなんて考えてことが無かったので道具は何もなく、やっぱり通販かなと考えながら寄ったキャンドゥで偶然にも1.6リットル入る小さな瓶を発見し2つ購入。そして氷砂糖とホワイトリカー1.8リットルを購入し早速漬けたのだった。※レシピは誰でも知っていると思うので省略する。
3か月程度で見事に漬かったプルーン酒は、2021年の年末くらいから美味しくいただいて瓶の1つはすぐ空になってしまった。何か他の果実酒でもと思ったのだが、飲み頃となったときは真冬ということもあり本命の梅は時期ハズレ。ほかに焼酎漬けしたら美味しい果実がないか色々と考えてふと頭に浮かんだのが「コーヒー豆」だった。10年以上前に友人から梅酒つくりの流れで作ってみたと渡されたコーヒー焼酎を思い出し作ってみたくなったのだ。このひらめきがきっかけで段々と沼化していくことになるとはこの時考えもしなかった。

 

・「コーヒーと焼酎」は「コーヒーで消臭」からはじまり、、、
602号室の料理長?は包丁を買い足すくらいの料理好き。特に魚を捌くのが得意で2020年の年末くらいから毎日のように刺し身を中心に料理を振舞ってくれていた。そうなると気になってくるのが生ごみである。綺麗にごみ処理をしてもやはり気になる生ごみの悪臭。そこで少しでも消臭効果になればと考えたのがコーヒーを淹れて朝飲むということ。せっかくなので豆のまま買ってコーヒーミルで削り淹れたいというこだわりを低価格で実現したいと考えていたところ、ダイソーやキャンドゥで安価なものがその頃発売されたのですぐに購入し実行、現在も東京に出てきているときは毎日飲んでいる。コーヒーミルの情報はキャンプ関係ユーチューバーの紹介動画を見て知った。キャンプブーム万歳。この時買った豆の残りを使って初めてのコーヒー焼酎が作られることになる。

 

・そしてコーヒー焼酎を作ってみた。
初めはもちろんホワイトリカー35度にコーヒー豆を入れて氷砂糖少々という果実酒スタンダード方式で漬けてみた。これはレシピサイトなどを参考に作ったものだ。今では全く驚かないが、なんと一晩で色が付いて1週間程度で飲み頃になる。飲んでみての感想は、コーヒーのいい香りがついて凄く飲みやすく、ロックやソーダ牛乳割など様々な飲み方に合うので飽きないということ。ただ、35度はロックだと少々きついしホワイトリカーがそもそも高いのでコスパが悪いのが難点。そして砂糖は不要ではないかという評価にもなった。とにかく半年以上放置してやっと飲める梅酒などとは違いすぐ飲めるのが魅力。第2弾ではそれを改善して ①砂糖不使用 ②安い焼酎に変更 ③瓶の消毒などが面倒なので購入した焼酎瓶(ペットボトル)に直接豆を投入する 
以上の改善をしてオリジナルの作り方を開発した。

 

602号室流の「コーヒー焼酎」の作り方

後々ネットで調べていくと、同じようなやり方をしている方が多くいることが分かったが、様々な豆を使って試している人は少ないだろうと思っている。そのあたりの話は次にしたいと思う。


つづく?
※あと2と3の構想があり半分完成しているが、、、もう無理かも笑