旅のはなし

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「8泊9日ギリシャ一人旅」2018年8月18日~8月27日

これは、ブルガリアで発掘ボランティアに参加をしていた2018年8月某日のこと、次のボランティアスタートまで少し時間があるから一週間くらいギリシャに行って来たら?と言われたことから始まったこのギリシャ旅。無経験、無計画で急にギリシャへ一人旅ってできるのだろうか?、と不安しかない状況だったが、結局は「なんとかなるか」と軽い気持ちで飛び出して色々とまわって無事帰ってくることができた。その時の写真や記録を元に思い出しながら加筆もして紹介していきたいと思う。

 

私は6月下旬から9月上旬まで、ブルガリアに行って発掘ボランティア参加をしていたのだが、ギリシャへ行くまでは単独で行動したことはほぼなかった。ボランティア休みの時はいろいろな都市や国外へ観光に行ったのだが、知り合ったスペイン人(旅の友)がいたので苦労はなかった(すべて手配してもらって金魚の糞状態)。実はその時に安い宿の取り方やバスの乗り方など見てきていたので、「国は違うが大きな違いはない。アレを真似してやれば大丈夫だろう」と一人で旅行することに対しての心配はほぼなかった。むしろ一番の心配事はギリシャに行って1週間(結局は9日)どこに行けば楽しめるのだろうということ。それを解決してくれたのが、発掘ボランティアで指導をされていた考古の先生(提案者)だった。先生はGooglemapを一緒に見ながらおすすめの遺跡スポットと行き帰りの場所のみを示してくれた。(下記メモ書きより抜粋)

 

・出国はソフィアからアテネまでバスで行ける
アテネに行ったらプラカの方に行ってアクロポリスを見てくるといい
オリンピアの遺跡も見ておくといい
テッサロニキを拠点にヴェルギナへ。そこの遺跡(墓)は素晴らしい
カバラを拠点にピリッポイとタソス島の遺跡巡りはどうだろうか
ブルガリアに戻るときはアレクサンドルポリスからが良い。ここを拠点にサモトラキ島へ行くのも良いだろう

 

以上の情報から、なるべく全部行こうと緻密に計画、、、、はせずに、まずはアテネに行って宿を確保できればその後は何とかなるだろうと考え、アテネまでのバスチケットとアテネ滞在の宿を確保して旅はスタートした。そこからは各都市に到着してから次の宿を確保して移動するという成り行きで行動をしていったのである。今考えるとよくこんな無計画で行ってきたもんだと思う。本当は「カバラを拠点にピリッポイとタソス島の遺跡巡り」も行きたかったのだが、どう考えてもあと3泊は必要だったのでテッサロニキに着いたときに断念し通過してアレクサンドルポリスへと向かった。他は駆け足だったが全部回れたはず。カバラ方面は生きているうちにいつかは行きたいと思っている。

ギリシア周辺と行ったところの図

さて、ここからが旅の記録となる。35リットルのバックパック1つ背負って9日間何をしてきたか紹介していきたい。
※文中に一部費用を書いているが、レートは2018年8月頃の1ユーロ(表記は「€」約130円)、1ブルガリアレフ(表記は「LV」約65円)で計算したものである。

 

①8月18日 ギリシャ入国へ

バス移動 80.0LV(約5200円) ソフィア(ブルガリア)~アテネギリシャ

ブルガリアの首都ソフィアからアテネまでのバス移動、休憩も含めて約12時間もかかるバス移動となった。前日にソフィアのバスステーションでギリシャ行きのバスチケットを購入することになるのだが、中央バスステーションで数日前に3人でマケドニア旅行に行った時に、国外行きのバスが出ているという情報以外はどこで買えるのかがよくわからない中探し回ることになる。英語もほぼ使えずブルガリア語も挨拶以外全くわからない自分が、日付や時間指定も含めてスマホで翻訳などを使わずによく購入できたものだと今更ながら感心する。人間頼る人がいないと力を発揮するものである。


出発時間は午後8時出発の便をあえて選択した。その時間に出ると到着が朝の8時なので一人旅初心者の自分がどんなトラブルに遭遇しても、時間が解決してくれるだろうという考えからである。夜出発で朝着ということ深夜バスを選択したのだった。ボーダーラインに到着したのは深夜0時。その後2回休憩をしたので記憶ではほぼ寝ていない。実は別の寝れなかった理由もあるのだが、それは漫画「宇宙兄弟 第20巻(195話)」の状態だったとだけ言っておく。気になったら漫画をチェックしてみてほしい。
人生初の深夜の長距離バスがまさか海外での経験で、さらにボーダー越えというオプション付きになるとは思いもしなかった。ボーダー越え時のパスポートチェックは今でもその緊張を思い出せるくらいドキドキだった。

深夜2時ころの休憩場所。テッサロニキのバスステーションにて。

午前8時 やっとアテネに到着

②8月19日~21日 アテネ滞在

ホテル宿泊(2泊合計)23.8€(約3100円)

19日午前8時ころ、某ホテル前のバス停で降車したのだが、スマホのMAPが無かったら危なかったくらい「ここどこ?」という場所だった。そこから宿泊先へまず向かい、当日の予約がちゃんと入っているかの確認と荷物を預かってほしいと頼みOKをもらって身軽で午前10時ころから終日観光をしてきた。午前中は博物館、午後は歩いて有名な建物を散策し無意識のうちにアクロポリスへ向かってパルテノン神殿はやはり見ておかなきゃと暑い中神殿まで登ってきた。その神殿は修復中で残念だったが、教科書で見たことがある大神殿の迫力に圧倒されて帰ってきた。前日はバス移動でほぼ寝ていなくこの日も終日歩いていたので翌日の昼頃までダウンすることになる。泊まったのは1泊1500円くらいのホステルで一部屋の中に二段ベッドが8つほどあるような部屋、男女関係なく寝泊りしていた。もちろん食事無しの素泊まりなので安い。

パルテノン神殿にまさか行くことになるとは

横から見たパルテノン神殿

散策中に見つけたストリートアート

アテネでの2日目は観光というよりバスや地下鉄の交通手段の勉強が中心となった。アテネから効率よく観光していくことを考えると、次の場所はオリンピアへ行く以外選択肢はなく、当日困らないようにとギリシャ交通機関のことを知るために、まずはバスステーションに向かった。ホテルからは少し距離があったので地下鉄を使うことにしたのだが、チケットの買い方や改札内の入り方など何も知らずに突入。結局「観察」をしてチケットの買い方や改札への入り方を勉強させてもらい見様見真似で無事乗ることができた。バスステーションはとても分かりやすい作りになっていて、行きたい都市名が書いている窓口で購入するだけ。これ以降は特に緊張することなくバス移動ができるようになった。その後はショッピングモールに行ったりと地下鉄移動を楽しんで帰ってきた。

 

③8月21日~22日 オリンピア滞在

バス移動 32.5€(約4200円)アテネ→ピルゴス経由→オリンピア
ホテル宿泊(1泊)26€(約3400円)

早朝にホステルをチェックアウトしオリンピアへ移動。オリンピア行きのバスに乗ったのだが、近くの大きな町であるピルゴスのバスステーションで降ろされてあれ?っとなった。バスステーション内を見て回った結果、時刻表にオリンピア行きのバスが1時間毎に出ている事、そしてチケット見せれば好きな時間にこのバスに乗せてくれるんだと理解できて一安心。少しピルゴスの街を散策してバスに乗り無事オリンピアに到着。ホテルにチェックインして早速遺跡散策に向かった。オリンピアは小さな観光地という印象。ただ、遺跡の方は想像以上に広く歩き疲れたという記憶がある。東京オリンピック前に聖火点灯の場所に来れたのは良い思い出となった。この日の夕食は近くのスーパーで購入したもので済ませて終了。ここはホテルだったので朝食は確か付いていたはずだが何を食べたかは全く覚えていない。

バスからの風景 海岸線を走ることが多く見ていて飽きない

オリンピアの遺跡

オリンピアの遺跡(説明できずですみません)

このアーチの奥が競技場跡

競技場跡(失礼ですがただの草原です)



④8月22日~23日 ボロスへ移動

バス移動 62.3€(約8100円)オリンピア→ピルゴス→アテネ→ボロス
ホテル宿泊(1泊)60€(約7800円)

オリンピアに一泊して次の日ボロスへ移動。事前に確認をした結果、オリンピアから次の目的地としたテッサロニキまで1日で移動するのは難しいと判断し、途中のボロスという都市で一泊しようと計画したのだが、ここで小さなトラブルが起きる。まずは宿泊したオリンピアからピルゴスに戻るのだが、少しゆっくりめで出発したのが失敗。時間を確認していなかったので、1日1便しかないピルゴス発ボロス行きの直通バスを逃すことになる。前日にチェックしておけばよかったと後悔しながらも、ボロスの宿を予約しているので、なんとか当日中に到着できるように別の移動案を考え、まずは一旦アテネに戻ってアテネからボロス行きのバスを探してみよう、最悪キャンセルとなってもアテネなら同じ宿などにまた安く宿泊できるだろうと考え、アテネ行のバスに飛び乗った。アテネのバスステーションに到着した時間がすでに午後5時、すぐに窓口へ行くもこのステーションにはボロス行きがなく、インフォメーション窓口で確認をしたらボロス行きは別のバスステーション(2キロくらい離れている)だと教えてもらいすぐ移動、タクシーは長蛇の列だったので歩いて移動し午後5時50分着、午後6時発のバスが運良くありギリギリ乗ることができて午後10時にボロスに無事到着。本当なら数時間観光できるはずだったが、結局夜の街を少し散策し晩御飯を食べたのと朝に少し散歩するだけの観光となってしまい、次の目的地にむかうことになった。

ボロスへ向かうバスを休憩所で撮影。まだ明るいが時間は午後8時頃

ボロスの朝。全く散策できなかったので残念。



⑤8月23日~25日 テッサロニキ滞在

バス移動 20.2€(約2600円)ボロス→テッサロニキ
ベルギナ観光(バス移動)14.8€(約1900円)テッサロニキ→べリア→ヴェルギナ→べリア→テッサロニキ(往復)
ホテル宿泊(2泊)47€(約6100円)

朝からテッサロニキへ移動。ここは近くにあるヴェルギナにある世界遺産の墓を見に行くのが目的で、2泊で計画した。バスステーションに到着したときに、ソフィアからアテネに向かった深夜バスの休憩地点の一つがここだったのかと気づいた。1日目はホテルにチェックイン後、終日街中を散策。港町でいたるところに遺跡や古い建物がありとても美しかった。

テッサロニキのバスステーション。深夜の時と違ってすごい活気があった。

 

美しい港町。有名なホワイトタワーと小さな船が見える。

実はこの写真の船に乗ることができた。近くまで行くと短時間の観光船という事がわかり、いくらかかるのか聞いてみるとなんと無料とのこと。ただし最低ワンドリンクといわれたのでビール一杯注文して乗ってきた。移動式のbarと言ったところだろうか。

船の中の様子

ビールを飲みながら見る美しい海岸線

ホワイトタワー

ガレリウスの凱旋門

珍しく撮影したレストランでの1枚。何を食べたのかは不明。

2日目はここに来た最大の目的であるヴェルギナの遺跡へ行くこと。前日にバスステーションで調べたときにヴェルギナ行きは無いという事がわかり、近くの少し大きい町まで行ければ何とかなるとの勝手な予想でベリアという町にまずは移動した。無計画もまた一人旅の醍醐味と言ってしまえばなんかカッコいいが、ただのバカである。驚くほどでもないが、その予想は的中しそこからベルギナ行きのバスが出ていたので無事向かうことができた。ただ、そのヴェルギナへ行くバスは他の大きい都市へ向かうルートバスで途中下車しないといけないのだが、見事に降りる場所を過ぎてしまい焦る。慌てて運転手のところに行き「実はベルギナで降りたかったのだが」と話したところ、次のバス停で止めてここで降りなさいと言われ降車。ここの職員の人に事情を説明してくれて少し後に来た逆側のバスのドライバーにも説明をしてくれて乗せてもらい無事ヴェルギナに到着することができた。話を聞くとけっこう乗り過ごす人が多いとのこと。追加料金もなしに対応してくれた優しいギリシャ人に感謝しかない。
苦労してたどり着いたヴェルギナ遺跡は世界文化遺産にもなっている所。お墓を残してその上に建てた博物館はこの旅の中で一番印象に残った素晴らしいところだった。その博物館を出て、近くにあるはずの別の遺跡へ向かっている途中、ロシア人の若者に「遺跡とは違う方向に向かっている」と突然声をかけられた。彼も同じ考えで向かって何もなくて戻ってきたところだったそうだ。その後何故か意気投合して帰りのバス時間まで一緒に観光し途中のベリアで食事をしてテッサロニキまで一緒に帰ってくることになる。連絡先を交換しなかったのが悔やまれる。

ヴェルギナ遺跡。この盛り上がっている部分の下が博物館になっている。

べリアからテッサロニキ行のバス時刻表。ギリシャ語のみなので全く読めなかった。

 

⑥8月25日~27日 アレクサンドルポリス滞在

バス移動 31.8€(約4100円)テッサロニキ→アレクサンドルポリス
サモトラキ島観光(船移動)40€(約5200円)アレクサンドルポリス→サモトラキ島→アレクサンドルポリス(往復)
サモトラキ島観光(バイクレンタル+ガソリン代)25€くらい(約3300円)※記録なし
ホテル宿泊(2泊)149€(約19400円)

テッサロニキから移動しアレクサンドルポリスへと到着。ここも2泊予定でホテルを前日に予約。目的のサモトラキ島へ行くには船移動なのだが、全く調べずに来てしまったので1日目は乗り方確認がメインとなった。ホテルにチェックイン後はまず港に行って船着場を発見し時刻表を確認。時間は18時を過ぎていたのですでに誰もいなく明日ここに来ればなんとかなるだろうとその場を離れた。翌朝船着場に突入し無事船に乗ることができた。チケット購入はパスポート提示が必要。持っていたから良かったが言われたときはビックリした。サモトラキ島も古代遺跡が観光のメインだったが、目指す遺跡は船着場から10キロくらい(イメージなのでもっと近かったかも)離れている。タクシーやバスはあるのかよくわからない(調べずに行くところではない)。朝一で行ったつもりだったが戻りの最終船の時間を考えると時間が3時間くらいしかない(普通日帰りで行くところではない)。まさか遺跡に行けずここでウロウロしてそのまま帰ってしまうのかと焦って周囲を見て目をつけたのがレンタカーの看板でしかもスクーターのみ。これしかないとスクーターをレンタルして島を散策してきたのだった。実は使うわけないと思いながらも国際運転免許をとって来ていたのだった。無事行けた遺跡は「Sanctuary of the Great Gods」という有名なニケ像が発掘されたところ(だったはず)。あっという間に遺跡まで行けたのでじっくり回ってくることができた。

アレクサンドルポリス 2日目の朝

早朝まだ眠そうな犬たち

往路で乗った船(手前)。小型の高速艇で約1時間半くらいで到着した

復路はこの大型船。2時間半くらいで戻ってこれた

レンタルバイク屋さん。ここでバイクを借りた

遺跡へ向かう途中で。ゆっくりと景色を楽しんで走ってきた

遺跡入り口付近の立て札(だったはず)

この遺跡で一番有名な神殿

ここも広い遺跡だった

 

⑦8月27日 ブルガリア帰国(?)

バス移動 20€(約2600円)アレクサンドルポリス→プロブディフ(ブルガリア

朝食後、帰り支度をしてブルガリアの方に戻るのだが、アレクサンドルポリスに着いた時のバスステーションには国外へ行くルートは無く、25日に街中を散策した中では、国外行のバスステーションを見つけることができなかった。船のことばかり考えていたが次の移動も重要なこと。結局はホテルの人に「プロブディフ(ブルガリア)に向かいたいのだが」と聞いてやっと場所がわかった。ホテルの人は親切に手書きの地図を書いてくれて細かく教えてくれたので助かった。ギリシャ内を移動するバスは大型でシートもゆったりだったが、ブルガリア行きはなんとミニバス(需要の少なさを実感する)。4時間くらいの移動だったと記憶しているが、シートも小さくなかなか厳しいバス移動となった。

 

おわりに

以上が、ギリシャ旅行の全内容となる。たぶん細かくは誰にも話をしていなかったのではないか。
ちなみに、今回の旅で使った金額は日本円換算で約8万円(主な移動費と宿泊代のみ)食費やアテネ内の地下鉄移動などの費用を加えても使ったのは9~10万円くらいというチープな旅をすることができた。無計画で適当に行動をしていたので行けなかったところも多くあったが、凄く充実した旅となった。実はブルガリアに戻ったその日にこの旅行最大のトラブルがあったのだが、今回はギリシャ話しなのでここまでとする。要望があればいつか紹介しようと思う。

 

続く?